仮庵

書きとめる仮住まい

並縫いのよろこび

ぽつぽつと並んだ並縫いの縫い目はかわいいと思う。

(きょう変換するまで並ではなく、波だと思っていた!)

布地をちくちく刺しながらすすみ、針を抜くとスッとあらわれる縫い目。規則正しく縫えることもあれば、不ぞろいのときもある。これにキュンとしないではおれない性分。放っておきすぎて枯渇しがちなオトメゴコロが潤う潤う。

飽きずにキュンキュンしているうち、できあがっていく。とほうもない生地量のときすらも(縫わねばならぬようにしたのは自分だが)、すすんでいけばいずれそうなる。

きっちりミシンで縫ったような頑丈さはない。自分で縫っているというたのしさ。もろさやヘタクソがゆえの荒さーーそして上手になりたい! と誓う向上心――も含めて、うれしくて、楽しいのだ。

針を持っている、刺している、布地を正す。それだけで「ああ、生まれてよかった」とすら思う時がある。

中表で縫って、布を返してしまえば縫い目は隠れるようになっている。どのようにひと針ひと針縫ったかは、自分だけが知っているヒミツ。ワザと見せる縫い目。あれはセンスも性格も出るなあ。他人の縫い目もしあわせにながめられる。

どれも、やっぱりうれしい。

 

窓の向こうの縫わぬ人にも、これと似たよろこびってあるんだろうな。

 

 

 

(ああ、やっとすなおに書けた)

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