仮庵

書きとめる仮住まい

おそろしい本。

最近「あしながおじさん」を読んだ。

子どもが幼児向けの短いものを読んで「すてきなおはなしだよ」と薦めてくれたのだが、そんなことは初めてでつい嬉しくなって読んだ。母は、福音館書店のやつ。 貪るように読んだ。

ついさきほどは「飛ぶ教室」を読んでみようと思い、ポチった。

わたしのなかで、そういう時期なのである。

モモ、長くつ下のピッピ飛ぶ教室……などなど。子どもの頃、読書家の母親に本を渡されるのがイヤでイヤでたまらなかった。大部分は読まなかったが、致し方なく読んだ結果好きになった本もある。

同世代や、少年少女の出てくる話というのは、わたしのなかでとてもおそろしいものだった。

あの、おそろしいという感情がなんだったのかハッキリとはわからない。

本の中で躍動する彼ら・彼女らを目の前にすると、なんのとりえもない自分に対するひたひた流れる嫌悪感を眼前に突きつけられるようだったのかもしれないし、一度没入してしまうと感情移入しすぎて彼らと共に傷ついたりするのが辛かったのかもしれない。

思い出のせいで嫌いになってしまった音楽と同じ。

数々の自己嫌悪と折り合い……踏み折った気もする……をつけながらすっかりおばさんになった頃、やっと(多少濁ったながらも)まっさらな気持ちで彼等を読めるようになってきた。

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