仮庵

書きとめる仮住まい

目を閉じて、みえるもの

『目を閉じて、みえるもの』を読んだ。
るうさんの文章は、文末が特徴的だなと感じている。そこから、聞いたことのない声が聞こえてくるかのようだ。

目を閉じて、みえるもの

「るうマニア」、途中から「るうマニアSIDE-B」というタイトルで、いくつかのブログサイトに公開したものです。
実用的な話はありません。
ひろくいえば「生きること」と「ことば」について書いたものです。

■本文の章題
道について
Tiny Bubbles
言葉は遊具でありたい
Lyrics(比喩という暗号)
つむじを見るために
紙の本への懺悔
マテリアルの消滅
一度も行かなかった
赤い星の住人
素通りできるひと

音楽のようでもあり、海のような本でもあった。

一編ずつに幕間があって、パッとスポットライトがあたってはじまるそれぞれのおはなし。
きこえてくる楽器がぽつぽつふえてゆく演奏のようなのだ。

しだいに演奏の流れがはやくなるぐるぐるしたもののなかに、いつのまにか飲みこまれていった。
さいごのさいごに、自分のあぶくがみえて「あ、おぼれた」と思ったら読みおわっていて、ざばっと海面に出た。

それまで耳に聞こえていたことばの音楽が、いつのまにか からだぜんたいをのみこんでいたのだ。
読了後の波にゆられながら「もっと読みたいなあ」と思った。
命がけで読書したなとこれを書きながら思った。

◼︎

前回とりあげた『Piece shake Love』は「肉」のことばが矢のように刺さったし、今回は「音楽」のようなことばに飲みこまれた。
どちらもそうかんたんには触れられないことばがからだの中に入ってきた。

ことばって、ふしぎだよなあ。とおもった。
日常つかうことばはそんなにたくさん種類があるようにおもえないし、電子書籍なので、物体としての見え方やフォントなどの特徴の違いはないのだけど、駆る人のことばによって受ける印象が全然違う。
今回と前回はとくにそう感じた。

目を閉じて、みえるもの

目を閉じて、みえるもの

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