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仮庵

書きとめる仮住まい

なお、私こと思い起こせば恥ずかしきことの数々、

雑記

わたしは、フーテンの寅さんに似たところがある気がした。(ほぼ観たことはないのだが)

まあ、ケンカをして飛び出すことはないが、ひとところにとどまるのは苦手だ。だからといって家庭を放って飛び出すわけにもいかないので、ものがたりを読んで旅に出て満足して帰ってくる。インドアなので。

家の中を本から目を離さないでウロウロしはじめたり、返事をしなくなったら旅に出ているのでオットも子どもも声をかけないのだそうだ。

 

「なお、私こと思い起こせば恥ずかしきことの数々、……」

寅さんの手紙の一文だ。わたしも毎日思っている。

たいてい、ご飯を作っている最中急に昔のことを思い出して「にゃーーー!」と叫ぶ。子どもが「なんでかあちゃん、きゅうにネコになった?」とワクワクしながら聞いてくる。それでちょっと冷静になれる。わたしがネコになったら恥ずかしくなったときだ。

その場では恥ずかしくないのに、終わった後に思い出して恥ずかしくなることが多々ある。

遠くの過去を思い出して、遠くの相手に思いをはせる。

 

たいてい、あとから恥ずかしいと思うのは喋りすぎてしまった時だ。できることなら貝あたりになりたい。でもわたしは突然口を開くミミックだ。

たとえば問題の渦中にいるとする。話し合いが停滞しはじめるとついつい「そもそもなんですけど」「まず、前提なんですけど」「整理させてください」と口から出てしまう。これらは「思いつき」スイッチ押下の合図。

おもしろそうな思いつきをひらめいてしまうと口から矢を連射するように喋る。

ふだん相手への対応では慎重にことばを選んではどうしたもんかと途方に暮れるが「思いつき」スイッチが入ってしまうとほんとうに困る。口が馬のようなスピードで走る。ゴールしてランナーズハイが終わったとたん、後悔しはじめる。

でも、おもしろくなりそうな「思いつき」が大好きなのだ。

 

「なお、私こと思い起こせば恥ずかしきことの数々、……」

過去の大切な思い出と共に、恥ずかしいこともたくさん抱えて生きている。

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