仮庵

書きとめる仮住まい

葛藤

新学期になってから、我が子が気持ちも体調もまあ不安定だ。

様子見で「とりあえずいってらっしゃい」と送り出す。本人もつい数分前までの楽しくなさそうな雰囲気はどこへやら。いつも通りわたしの顔も見ずに出かけていく。
「うーん……何かが違うのだけどわからぬ」と見送った背中の残像を思い浮かべる。

そんな感じで、どうにも子どもの不安定さの理由がはっきりしなかったのだが、1ヶ月ばかり観察してみてやっと輪郭がとらえられた。

部分でみると体調が悪いか単純に不機嫌かにみえるのだが、全体をみるともっともっと深い理由がある気がするのだ。ならば書き出すべし。

見守って感じたキーワードを並べて、ながめてみてやっと「これは成長期な気がするなあ」とひとつの推測にいきあたる。

どうやら本人はわけもわからずじぶんのこころと葛藤している。
葛藤していることすら、おそらく気づいていない。
だから、おなかが痛くなったり顔色が悪くなったり、甘えたり、ささいなことで泣いたりするのだろう。

あまりに顔色が悪く1日休ませたら、ひたすら好きな遊びをしていた。
そういえば最近、家に帰ってきても大好きな工作も絵もレゴもそこそこにしかしていなかった。部屋の中がパッケージの切れっ端やら、書き散らした紙類でめちゃくちゃにならない事に疑問を持つべきであった。

ゆるやかで静かに、こどもは変調をきたす。なかなか難しい。

朝出かける前に、5分に1回のペースで抱っこを要求してくるのは安心したいからだ。
あんなに拒否してきたベタベタをしたがるのもそうだ。
飽きるか満足するまで抱っこすれば自然と離れていく。わたしはたぶん充電器なのだろう。

何度か夜中に起きてきて「おやつが食べたい」という無茶な要求も、受容されたいからだ。ほんとうにおなかが空いているのかもしれないけれど。

いままでとは何か違うな? と気づく前はなんとか食べさせない方向で説得してきたが「ストレスか?ストレス食いなのか? ふふふ。いいよ、食べな。1個ね。食べたら歯みがけよ」と言ったらニヤニヤして、ちゃんと歯も磨いて安心したように寝た。
そうしたらその日から、起きてこなくなった。
またあるかもしれないが、その時はその時だ。

わたしも、5歳か6歳くらいの時は死と吸血鬼がこわかったなあ。と思うと、外側の世界をチラ見してきてみえてしまう未知と理解できないものも不安定になる理由だろうなあ。だから安心が大事なんだろうなと思う。

葛藤するこころばかりは、どうにもしてやれない。自分で解決したり折り合いをつけて次のステップにすすむのだろうからね。

母ができるのは「自分を信じろ」と言うくらいと、抱っこと、悩んでいたら話を聞いてはげまして母が考えた案を提案するのみだ。
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