こどもと「ちょっとむずかしいこと」
ほんとうに難しいことは、絶対にしたがらないが、我が子は「ちょっとむずかしいこと」は好きだ。
おそらく、多くの子どももそうではないだろうか。
その性質にうすうす気づいたとき、ぜひとも自分でやっていただきたい生活の基本を「ちょ〜〜っと難しいけどできるとすごいこと」に位置づけてみた。
やりもしなかったことを突然「できるよ!」とその日の気分程度に言いだしたあたりがはじめ時だろうか。
「これ、じつは母ちゃんも難しいんだよねぇ」
なんていう言葉はもっとも甘美らしく「そんなの、かんたんだよ」といって、母より先に完了させようとする。
「ひええ〜手伝ってえええ〜」も同様。
しかたがないなあ。やれやれ。といった素ぶりでやってくる。
演技もすぎたか「かあちゃんはダメなひとだ」呼ばわりされたのには、爆笑した。
「すごいね! ありがとう!」とほめれば、それはそれは自慢げな様子。
しかし、子どもも人間であるがゆえ、ほめつづけると慣れる。
ほめても自慢げにならなくなった頃に「ありがとう」のみに切り替えた。
切り替えた後しばらく経ってから、本当に気づかぬうちに片付けもろもろやり終え、しれっと遊び始めたときに「え、もうできたの!? いつのまに! すごいね!」というと「あたりまえでしょ」というような、はにかんだ自慢げな顔をした。
ちょっと難しいはずだったものは簡単すらこえて、いまやりっぱに習慣だ。*1
*1:習慣になっているはずなのに、なぜかできない日は体調が悪くなる前兆の可能性もあるので一つの目安になる