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仮庵

書きとめる仮住まい

らくがき

先日、居間の模様替えをおこない
テレビ台を、昔使っていた白いものに差し替えた。

あくる日。
台所から戻ってくると、子どもがテレビ台に水性ペンでらくがきをしていた。
愛用の油性マッキーでなかったことが救いだ。

わざとらしく何度か横を通り過ぎてみたが、母にみられていることに気づいていない。

我が子は、なににでも絵を描き始める。
奇跡的に壁には描かなかったが、家具にはほぼ書いた。
ソファにはネコが描いてあり、イスは同系色のマジックで塗りつぶされている。
高級な家具というわけでもないので、一度は膝から崩れ落ちるがあきらめもつく。 そこでガミガミ言っても、お互いに得しない。

ただ、一応やってはいけないことは一言言っておく。

「おいー。そこに絵を描いてもよかったっけ? 描いていいのは紙だけだって前に説明したろー」
「ごめんなさーい……」
「で、何描いてたの?」
「すっぽんもどきかくの」
「あ、まだ描き終わってないのか。じゃあ完成させなよ」

我が子は嬉々として続きを描き始め、
北海道新幹線に、すっぽんもどきとうさぎを乗せて、
らくがきは完成した。

「母ちゃんは怒らないけど、人によっては怒られることもあるんだからな」
「なんでー?」
「幼稚園の机とかおもちゃに描いたらどうなる? 想像してみなよ」
「あー」

母は構わぬけれど、それがどこでもやっていいと思ってしまうのは困るなあという出来事が、よくある。

なんでもかんでも言いすぎると親の顔色をうかがうだろうし、なんでもやっていいというのも、なんか違う。

しかし、親が手取り足取り教えずとも、いずれ自分で考え理解していくだろう。
教えすぎるのも、教えないのも……とバランスが難しい。

子育ては、ちょっと難しい。

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